話題が昨年の話で遅くなってしまいましたが、2019年11月1日に東京で開催されました
日経BP総研他主催の木材活用フォーラム2019 in 東京に行ってきました。SGDsの盛り上がりもあり
会場は大入り満員で、木造大型建築物の注目度合肌で感じる事ができました。
このフォーラムでは、なんと昨年8月に私が参加しましたノルウェー・フィンランドの木造建築視察
ツアーのパネルディスカッションがプログラムに加えられており、他人ごととは思えない気分で
参加させていただきました。
Mjøstårnet Tower (Oslo/Norway)
ツアーの最初は、ノルウェーで現時点で世界最高の木造建築物である
Mjøstårnet(ミューサネット)タワーを見学。18F建ての木造ビルで
用途はホテル、マンション、オフィス他です。外壁まで木材を使用しているのには
驚きました。柱、梁は大断面集成材、床はCLTを使用。12~~18階の床に関しては
CLTの上にコンクリートを使用。コンクリートが風でビルが揺れるのを防ぐ重石にも
なっているそうです。
ノルウェーの後は、フィンランド中を7日間駆けずり回りました。
Light House (Joensuu/Finland)
Light Houseは学生寮で入居開始数日前に見学。14階建ての建物で、構造は、壁柱がLVL、床がCLT。
最上階から1階をPC鋼でテンションをかけ、風に対する揺れを防ぐそうです。コンクリートを使用していないので
純木造ビルではこのビルが世界で最も高いと設計者は自慢していました。
Puukuoka Housing Block(Jyväskylä/Finland)
Puukuoka Housingは、ユニット工法で建設された木8階建てのアパートです。冬場建設工事が出来ないフィンランドでは
冬以外で短期間で施工するためにユニット工法が盛んになってきているようです。9階建てくらいの建物であれば
ユニット工法で建設可能という事で、日本の常識が覆されます。デザインもユニット工法で建設されてたとは
思えないようなおしゃれなデザインで驚かされます。
アアルト 実験の家(Muuratsalo/Finland)
フィンランドの建築家と言えばアルバ―・アアルトが有名ですが、今回のツアーでもアアルト作品を
時間の限り堪能してきました。タウンホール、サナトリウム、アアルト大学等本当に素晴らしい建物ばかりで
アアルトファンになり、帰国してすぐにアアルトの本を買いに行きました。
本当に移動ばかりの激ハードツアーでしたが、最先端の木造建築を見ることができ大変勉強になりました。
また行政主導で新しい街づくりに木造建築以外の建設を認めないルール作りなどフィンランドの環境意識の高さには
驚かされました。日本もこれから官民一体となり大型木造建築物の普及に努める必要があることがよく理解できました。
また日本から参加されたメンバーも名立たる大企業の方ばかりで、日本の大企業の木造建築物への熱意が感じられ
木材業界はこれから明るいと感じさせてくれるツアーでした。今後我々は機械設備の面からこの新しい木材の
マーケットに尽力していきたいと思います。
アアルト